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●山崎先生につづき、評論家の宮崎正弘先生がブログで『政治とはなにか』の書評を書いて下さいましたので紹介します。
政治学を平明に論じながら語彙に若さの感性が光る
アリストテレスから坂本多加雄まで、リヤ王から権藤成卿までを多彩に
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岩田温『政治とは何か われわれに欠けているのは物語だ』(総和社)
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歴史とは物語である。イタリアの書店で「歴史」は「物語」に分類されているのを発見して、なるほどと合点がいった経験がある。ついでに言えばイタリア語は世界に冠たる語彙力、表現力がある言語である。
著者の岩田氏は小林秀雄を引用して、つぎなる真実を代弁させている。
「ロオマの英雄なぞは、今日の歴史かは、みんな作り話だと言っている。おそらくそうだろう。本当だろう。だが、たとへそれが本当だとしても、そんな詰まらぬことをいって一体、何になるのか。それよりも、ああいう立派な作り話を、そのまま信ずるほど吾々も立派であってよいではないか」
(小林秀雄「歴史と文学」)。
そうだ。作りばなしで科学的根拠の乏しい魏志倭人伝で書かれた、いい加減な地形との距離を「科学的に計って」邪馬台国はどこそこという議論は不毛だ。邪馬台国はどこかにあったし、神武天皇は実在したのである。
さて本書は保守論壇の新星、岩田温氏の最新作論集。政治学徒だけに哲学的或いは思想的な論究が、それこそアリストテレスからリヤ王まで、エドマンド・バークから坂本多加雄まで広がる。
冒頭に比喩的な導入として使われるのが、「家政婦のミタ」。一瞬、なんのことか分からず、家族の絆を論じるアイ・キャッチャーと了解した。
「Always 三丁目の夕日」。世間知らずの評者(宮崎)には、この意味も存分には分からない。家族愛、友情が共同体の基本にあることを説く例証材料だろう。
本書の中では安部晋三と野中広務の凄まじき対比が妙に面白かった。政治哲学を論じつつ、このようなわかりやすさを具備する方法は、斬新である。というより、感性の若さが光を放つ。
また内田樹とか中沢新一とか浅田彰とか柄谷行人とか、「正真正銘のバカ」=丸山真男以下の疑似インテリを、丁寧に読みこなして批判している個所は、まったく無視するか、論ずるに値しない人々ときめつけてきた評者にとって驚きでもあった。
さて本論。
おそらくこの書物で岩田氏が一番言いたかったことの一つは下記の個所であろう。
「西洋を万事の範と仰いだ明治維新以来の欧化政策こそが、日本古来の社しょくを破壊し、国体の変革の原因で」あるが、市場原理が導入されて以来、「人々の格差は極大化し、同胞としての意識は喪失され、マネーゲームの中で同朋が相食む事態となりはてた。社会は混迷を極め、日本は日本でなくなりつつある。この恐怖を肌で感じることなく昭和を論ずることは無意味に近く、その実感なしの論評は的外れ」となり、「敗戦国の戦後にふさわしい『敗戦政治学』こそが丸山政治学であり、『敗戦文学』こそが司馬文学なのである」
司馬遼太郎をこういう視点から斬るのも意表を突かれた。
「近代性の構造の矛盾が露呈し、近代そのものの超克の必要が明らかとなった現代。ポスト・モダンの試みは、単なる知的遊戯に過ぎず、思想哲学は新たな視座が求められている。今我々日本人の眼前には昭和思想という豊饒の海が広がっている」(174−175p)。
これからの活躍が期待される論客が登場した。
●『政治とはなにか』の書評を文芸評論家の山崎行太郎先生が書いて下さったので以下に紹介します。
「岩田温君の新著『政治とはなにか』(総和社)が刊行されました。
昨年末の『逆説の政治哲学』(ベスト新書)に続く本格的な、つまり最近の政治的言説をめぐる論壇やジャーナリズム、アカデミズムに欠如している原理的、哲学的著作で、まだ20代の若手論客・岩田温の存在を印象付ける画期的な著作です。
僕は、まだ学生だった岩田君と最初に会った時、20歳そこそこだったと思いますが、その力強い言動や学識の豊富さに接し、これはタダモノではないなと感じたものですが、そしてそれ以来、親子ほども歳が離れているにもかかわらず、頻繁に交流することになり、
最近は、マルクス『資本論』読書会や柄谷行人の『世界史の構造』の読書会など、勉強会なども繰り返して来ました。今回の『政治とはなにか』は、政治学者・岩田温の才能と研鑚をいかんなく発揮、開花させたもので、これからの日本の論壇やアカデミズム、そして政治の世界に大きな波紋を広げていくものと思われます。
この書は、タイトルが示すように、「政治という現象」を扱っていますが、政治評論家たちが扱う「政界裏話」的な政治論でも、また政治学者が扱うような抽象的、観念的な政治論でもなく、あくまでも「生きた政治」を通して「政治とはなにか」を原理的に追及したものです。現象論から本質論へ、本質論から現象論へ。様々な角度から「政治とはなにか」を問うています。
ところで、今、日本の政治は、誰が見ても、大きな停滞期にありますが、それを、政治家の責任や選挙民としての一般大衆の責任にする風潮には、僕は反対です。日本の政治の停滞、堕落の原因は、根本的には、政治をめぐる言説、つまり「論壇」や「ジャーナリズム」の貧困と堕落にあると考えます。優れた政治評論家、政治学者、政治思想家の「不在」が、日本の政治の停滞と堕落の根本原因だと、僕は考えます。したがって、日本の政治を活性化させるためには、政治的言説、政治論壇や政治ジャーナリズムの活性化が不可欠です。
岩田君の新著は、その意味で、歴史的意義を有する重要な「政治論」「政治的言説」だと言っていいでしょう。是非、手に取り、ご一読を。」
●『政治とはなにか』お詫びと訂正
175ページ5行目に削除ミスのため、文章が切れてみえる個所がございました。
正しくは「日本人の眼前には昭和思想という豊穣の海が広がっている。」の文が四章の終わりになります。
232ページ5行目の注(五七)から(五九)まで1つずつズレておりました。正しくは(五七)→(五六)、(五八)→(五七)、(五九)→(五八)です。
また、初出一覧の第三章と第四章が入れ替わっておりました。正しくは
第三章「保守主義と国体」
第四章「昭和維新研究序説」
です。
読者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。謹んでお詫び申し上げます。また読者の皆様からは有益なご指摘をいただき有難うございました。増刷分から必ず修正致します。(担当編集者:佐藤春生)
●『逆説の政治哲学――正義がひとを殺すとき』が政治哲学の入門書だとすれば、本書は更に踏み込んだ本格論考集です。二十八歳の著者が描く「政治」の世界
『政治とはなにか』(岩田温 著)好評発売中!
●昨年の東日本大震災で自分が「日本人」であることを再発見した方は多かったと思います。著者によれば、大使という仕事は「24時間日本を体現」しなければならないとのことですが、そのような責任ある職務だからこそ「日本」や「日本人」について発見することが多かったのでしょう。
本書はその「日本」についての発見をまとめたものです。単なる日本人賛美ではなく、発見した日本を深く洞察し、日本の「造り変える力」と欧米の「破壊する力」というふたつの対立する力で「世界」を大きく眺めなおしているのが他にない特徴です。元ウクライナ大使だからこそ書ける日本論
『いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力』(馬渕睦夫 著)好評発売中!
●『いま、「東北」の歴史を考える』(高山宗東 著)好評発売中です!
「東北の底力を知る」というのが本書のテーマです。
第1章:東北の古代・中世
第2章:東北の近代・近世
第3章:東北の災害史
第4章:東北と異才
第5章:文芸と東北
と、内容はかなり豊富です。はじめての方にも読みやすいよう、文字も大きめにして、ルビや注釈をふり、東北災害史年表もついてます。
お楽しみください!
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●総和社では今後、競馬本以外のジャンルの書籍も刊行していきます。同時に企画や原稿も募集しておりますので、応募ください。もちろん、引き続き競馬本もどしどし刊行していきます!
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もちろん、原稿採用者には原稿料、印税いずれかをお支払いします!
企画書は必ず添付するようにしてください。メールもしくは郵送(〒162-0807 東京都新宿区東榎町4コトブキビル7F 担当:斉藤愉孝)にてお送りください。ただし、企画書代りにブログというのは一切お断りさせていただきます。
これまでにない新しい「競馬本」の企画をお待ちしております!
詩や小説でなければ、競馬本以外のジャンルでもかまいません。特に「政治・社会」の企画は随時募集しております(担当:佐藤春生)。
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